ジェニケ法,ジェニケのせん断試験法,ジェニケの剪断試験法
Jenike's shear method
ホッパーの頂角と排出口径の計算に必要な,粉粒体の物性値を得るためにジェニケが提案したせん断試験法。ジェニケ法ではホッパー内の粉体の充塡状態を試験容器内で再現するため,予備せん断操作を行うのが特徴である。少し偏心させた三段重ねのセル内に試料を充塡し,所定の垂直荷重(予圧密荷重)を載荷したまま,上ふたを 20 〜 30 回左右に約 10 度ねじる(ツイスト操作)。次にモールディングリングを取り除き,リング上面で試料をすり切ったあと,層上面にせん断用ふたを置き,再度,予圧密荷重を載荷し,セルの中心が一致するまで層をせん断する。変位が増すにつれてせん断力は変化するが,やがて一定(限界状態)になる。もし,セルの中心が一致するまでにせん断力が一定にならなければ,ツイストの回数を変え,限界状態が得られるようにする(予備せん断操作)。限界状態が得られたら予圧密荷重を取り除き,予圧密荷重より小さい垂直荷重を載荷して,層が崩壊するときのせん断力を測定する。せん断時の垂直荷重を変え,それぞれの垂直荷重に対するせん断力を垂直応力 σ—せん断応力 τ 平面にプロットすれば,破壊包絡線が得られる。ただし,ジェニケ法に基づいて得られた破壊包絡線は予備せん断時の垂直応力とせん断応力の合応力によって圧密された層についてのものであり,一軸圧縮による通常のせん断試験や三軸圧縮試験から求めた包絡線とはかなり異なるので,注意を要する。
→ せん断(剪断)試験,破壊包絡線,単純圧縮法
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