粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

磁気異方性

magnetic anisotropy

 強磁性体の自発磁化の大きさは,結晶方位によらず一定の値となるが,その磁化過程は方向によって大きく異なる。この現象は磁気異方性といわれ,磁化される方向によって,内部エネルギーが異なることによって生じる。その内部エネルギーを磁気異方性エネルギーという。磁化されやすい方向を磁化容易方向といい,磁化されにくい方向を磁化困難方向という。結晶方位によって磁気異方性エネルギーが異なるような,結晶の対称性を反映した磁気異方性を,結晶磁気異方性といい,代表的な例である。そのほかにも,形状異方性や誘導磁気異方性などの種類の磁気異方性がある。結晶磁気異方性の大きさは,物質を構成している結晶構造や組成により,形状異方性はその形状比によって決定される。これらの性質は,永久磁石や磁気記録材料などの分野で利用されている。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/21

【広告】