粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

磁気分離機

magnetic separator

 あらゆる物質の磁気に対する反応の違いを利用して様々な物質を分離する装置が磁気分離機(磁選機)である。磁気分離機の分類は,磁界をつくり出す磁石の種類で分類すれば,永久磁石式,電磁石式,超電導磁石式に分類されるし,磁界の強度別に分類すれば,低磁力型,中磁力型,高磁力型,高勾配型などに分類される。さらに,磁気分離処理の方法によって,乾式磁選機と,水やその他の液体を媒体として使う湿式磁選機に分けられる。これらの分類要素を組み合わせて実際の装置の呼称が決められている。たとえば,電磁石式湿式高磁力磁選機,永久磁石式乾式高磁力磁選機などと呼ばれる。近年の磁気分離機の発展に寄与した特筆すべき最新技術は,ネオジュウム磁石(Nd-B-F 磁石)に代表される希土類永久磁石(レア・アース・マグネット)の発明と,超電導磁石の磁選機への応用である。最近のネオジュウム磁石は,従来のアルニコ磁石,フェライト磁石に比べて,実に 10 倍以上の磁気特性(最大エネルギー積)をもつに至っている。永久磁石式磁気分離機にこのネオジュウム磁石が使用されるようになってからは,永久磁石式磁選機の応用範囲は飛躍的に拡大し,従来は,大型で消費電力も大きな電磁石式高磁力磁選機でなければ処理できなかったような用途にその使用実績が増加している。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/21

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