仕事関数
work function
固体表面から一個の電子を取り出すときに必要な最小のエネルギー。真空準位を基準として,フェルミ準位までの深さ(エネルギー差)で表わし,正の値をとる。金属の場合は光電子放出の閾値(しきい値)と一致する。金属元素の仕事関数は,ポーリングの電気陰性度とほぼ線形関係にあるがばらつきは大きく,実用上の金属では使用条件下で測定することが望ましい。
仕事関数は,二物体が接触した際の接触電位差,固体表面における電子放出現象,化学的活性などにかかわっており,固体表面を扱うための重要な基礎物理量である。二物体の接触帯電では,仕事関数の大きいほうが負に,小さいほうが正に帯電する。電子のエネルギーに関係するので,その単位には eV が用いられることが多い。
→ フェルミ準位,
接触帯電,
接触電位差
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