湿式造粒
wet agglomeration
液中に懸濁した粒子を凝集,圧密化して造粒物にする方法。その凝集方法によって,団塊凝集法(pelleting flocculation process)と湿式球形造粒法(wet spherical agglomeration process)の二つに大別される。団塊凝集法では,粒子の懸濁液中に高分子凝集剤を添加し,攪拌などにより系にせん断力(剪断力)を加えると,高分子濃度,懸濁粒子濃度,せん断速度などに応じて,粒子径や形態の異なるマイクロフロック(≒ µm),微小ペレットフロック(≦ mm),粗大ペレットフロック (≦ cm),粗大フロック(≦ mm,cm)が形成される。ペレットフロックは,フロックよりも沈降速度が速く,ろ過(濾過)やそれにより生ずるケーキの乾燥などの脱水操作が容易である。上水,下水,工業廃水のスラッジ処理,排水の清澄化,ヘドロ処理などに応用される。湿式球形造粒法では,分散媒とは混和せず,懸濁粒子と親和性のある少量の液体(液体架橋剤という)を系内に添加しせん断力を加えると,粒子間に液体架橋が形成されて粒子が凝集する。凝集物は同時に圧密化され球状の造粒物となる。多成分系の粒子懸濁液に本法を適用すると,粒子と液体架橋剤の親和性に応じて,石炭や,稀金属粒子の選択造粒ができる。本法を発展させた,晶析中に結晶を造粒する球形晶析法が,医薬品などの粒子設計法として開発されている。
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