湿式流体分級
fluid dynamic classification with liquid
液相中で粒子の流体力学的挙動の違いを利用する分級で,気相で行う乾式流体分級の対語。液体には水が用いられることが多い。液相中では,粒子と流体の密度差が気相中よりも小さく,液体の粘度は低粘度の液体でも気体の数十倍であるから,粒子の沈降速度は気相中よりもはるかに遅い。そのため微粒子の分級には強力な遠心力や長い分級時間が必要になる。その反面,乾式流体分級では沈降速度が過大で扱いにくい粗大粒子の分級が可能である。また,粒子と流体の密度比が気相中の 1000 分の 1 であるから,乾式流体分級よりもはるかに高い体積濃度で分級することができる。
湿式流体分級には,流体抗力と重力の作用を組み合わせた湿式重力分級と,流体抗力と遠心力の作用を組み合わせた湿式遠心力分級がある。乾式流体分級ではこれらのほかに,粒子の慣性力を流体抗力と組み合わせた慣性力分級もある。しかし液相中では液体の粘度が高いので,粒子がその慣性力で流体に対して独自の運動をする現象はほとんど無視できる程度であり,湿式で粒子の慣性力を利用する分級は困難である。
→ 湿式分級,
流体分級,
乾式分級,
湿式分級装置
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