自由渦とは強制渦に対する用語で回転速度が回転半径に逆比例する場合をいい,竜巻などの自由空間の摩擦の少ない渦はこれに近似できる。たとえば静止円筒中での周辺流入,中央部吸引抽出のサイクロンなどは自由渦または半自由渦形式という。壁面に境界層を生じ,二次流れも発生するため分級精度はあまりよくないが,構造が簡単で可動部分がないという長所をもつ。湿式としては液体サイクロンが実用化されており,圧力損失は数気圧で分級径は約 10 µm 以上のため,スラリーの濃縮用として利用されている。
→ 強制渦型遠心分級機
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/18