重液選別
dense medium separation
固体粒子間に比重差がある場合に,適当な密度を有する液体(重液)より重い粒子は沈降し,軽いものは浮上することを利用して選別する手法。主な重液選別装置には,コーン型,ドラム型,スパイラル型があり,浮上産物と沈降産物は連続的に回収され,各産物を分離した重液は循環使用される。
重液としては,テトラブロモエタン(比重 2.96),四塩化炭素(1.58),ペンタクロロエタン(1.68),トリクロロエチレン(1.46),塩化亜鉛(2.0),臭化亜鉛(2.21),臭化錫(3.34),臭化アンチモン(3.6)が用いられる。比重 5 までの重液として,ギ酸タリウム─マロン酸タリウム溶液がある。ただ,安価な重液を大量に得ることが困難なことや,高密度の重液には有害なものが多いことが問題である。
さらに高密度な重液材として,擬重液と呼ばれる微粒子の懸濁液が用いられる。比重 6.8 前後のフェロシリコンでは最大比重 3.3 までの調整が可能であり,マグネタイトでは比重 2.55 までの擬重液が得られる。その他擬重液として,鉛(最大擬重液比重 6.0),方鉛鉱(4.3),金属銅(4.5)などの粒子懸濁液がある。重液材は磁選や浮選,テーブルなどで回収され再利用される。
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