主動応力状態とは土質力学において最初に考えられたものであって,クーロンやランキンの土圧論が有名である。粉体貯槽内に粉粒体を静かに投入すると,堆積した粉粒体は水平方向への変位なしに,堆積する粉粒体重量によって垂直方向に圧縮される。このときの貯槽内粉体の最大主応力線は図に示すように垂直方向に閉じた状態となり,このときの応力状態を主動応力状態にあるという。一方,排出が開始されると,排出口上の粉体から順次垂直方向へ膨張が許され流動が生ずる。完全に流路が形成されると,粉体層内の応力状態は受動応力状態となり,最大主応力線は水平方向にアーチ状となる。
→ 受動応力状態
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/23