シュルツ・ハーディ則
Schultz-Hardy law
水溶液中で粒子が帯電により分散しているコロイド分散系において,電解質濃度を増すとある濃度で急激に凝集が起こり,分散系が白濁したり粒子が巨大フロック化したりする。これは,粒子の表面帯電が対イオンにより遮蔽され,凝集が緩速凝集から急速凝集になったことを示しており,この電解質濃度は限界凝集濃度(CCC)または凝析価と呼ばれている。CCC は,対イオンの種類にはほとんど依存しないが,対イオンの価数とともに指数関数的に減少することが 19 世紀末に実験的に見いだされ,シュルツ・ハーディ則と呼ばれている。シュルツ・ハーディ則は DLVO 理論による導出が可能で,CCC ∝ z-n(z は対イオンの価数であり,冪 n は,表面電位が高い場合 n = 6,表面電位が低い場合 n = 2)の関係が得られている。実際の系では n は 2≦n≦6 の定数と考えてよい。
→ 限界凝集濃度,
緩速凝集,
急速凝集,
DLVO 理論
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