準安定領域
metastable zone
未飽和な溶液を冷却または濃縮して飽和状態をすぎ,過飽和状態にしても,結晶化(核化)がみられない領域が存在することが経験的に知られている。この溶液をさらに冷却または濃縮すると核化が生じる領域に入る。この境目の濃度を過溶解度と呼び,過溶解度曲線(飽和濃度と温度の関係)と過溶解度曲線ではさまれた領域を準安定領域(または単に準安定域)と呼ぶ。過溶解度曲線は溶解度曲線とほぼ平行である。準安定領域の外側のより大きな過飽和の状態を不安定 (labile),未飽和溶液を安定(stable)と呼んでいる。準安定領域は,過飽和でありながら安定を保っている溶液が存在する範囲を意味している。準安定領域は,一次核発生の場合と二次核発生の場合の両方について知られており,当然二次核発生の場合に準安定域の幅が狭い。断りなしに用いられるときは一次核発生に対する場合をさす。
→ 結晶化現象
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