蒸発面後退モデル
receding evaporation plane model (on drying)
湿り材料の減率乾燥機構を解析する際に,蒸発が材料深さ方向のある点でのみ起こり,それが乾燥の進行とともに材料内部へ後退すると仮定したモデルである。このモデルでは,材料内は乾燥域と湿潤域に区分され,それらの界面でのみ蒸発が起こっている。界面が時間の経過とともに材料内部へ進行する挙動は,各領域における熱と物質移動の式を解いて求めることができる。比較的単純なモデルなので理論計算も楽であり,非吸着性粒子層の乾燥過程をよく説明できる。特に漸近到達温度あるいは擬湿球温度と呼ばれる,減率乾燥期間で観察される一種の擬定常伝熱状態をうまく説明できる。このモデルを拡張したものとして,蒸発の起こる埸所が点ではなく領域であるとした蒸発圏モデルがある。
→ 内部蒸発圏モデル
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