物理化学的な手法により，溶解速度を遅延させた粒子。その手法として，水溶性，非水溶性，ゲル形成性などの高分子により，粒子表面を被覆（コーティング）したり，高分子中に粒子を分散させたり溶解させる方法がある。
　前者の方法で製したタイプの粒子を，リザーバー型と呼び，マイクロカプセルがその代表例である。後者のタイプを，マトリックス型と呼び，その粒子をマイクロスフェアーという。高分子中に粒子が溶解した状態にあるものをモノリシック型という。高分子が不溶性の場合，リザーバー型の粒子の溶出速度は，皮膜内の拡散が律速となり，0 次や一次速度式で表わされる。マトリックス型の粒子の溶出速度は，マトリックス内の拡散が律速となり，Higuchi 式（溶出率と時間の平方根との間に直線関係が成り立つ）で表わされる。