磁力選鉱
magnetic beneficiation
天然鉱産物の選別方法(選鉱方法)の一つで,磁界を利用して鉱物のもつ磁気に対する反応の違いによって選鉱すること。磁力選鉱は長い歴史をもつ選鉱技術であり,鉄鉱石の選鉱,石炭の重液選鉱における重液メジュウムの回収,ルチル・イルメナイトの選鉱などに古くから広く利用されている。選別に利用される磁界を発生させるために,永久磁石,電磁石が用いられる。近年における磁力選鉱技術の進歩はめざましいものがあり,米国ジョージア州では製紙用カオリンの精製に,超電導磁石を用いた高勾配磁選機(high gradient magnetic separator)が稼働している。また,ネオジュウム・鉄・ボロン合金からなるネオジュウム磁石の開発により,永久磁石で創出される磁界強度は飛躍的に向上し,従来大がかりな電磁石によってしか得られなかったような高磁力・高勾配磁界が容易に得られるようになった。
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