蒸発または凝縮が生じている液体表面近辺で生じる流体力学的な流れをいう。空気中で水面から水が蒸発する場合を例にとると,水蒸気の濃度は水面から離れるほど低下し,反対に空気の濃度は上昇する。その結果,空気はその濃度勾配のために水表面に向かって拡散していくが,水表面では水蒸気と空気の全圧が一定であるために,拡散してきた空気は流体力学的な流れとなって水面から遠ざかる方向に流れることになる。このような流れのために,液が蒸発している表面に浮遊する粒子は液表面から遠ざけられる。液が凝縮する表面ではこれと逆となり,粒子は液表面に運ばれる。
→ 拡散泳動
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/12/15