滑り線
sliding line
物体(ここでは粉体層)内部または表面において滑り崩壊が起こっていく線または面を滑り線または滑り面という。静止粉体層の応力はモールの応力円によって記述され,また今まさに滑り崩壊が起こるときの応力は降伏関数によって表わされる。したがって,滑り線の応力はモールの応力円と降伏関数を同時に満足し,かつ滑り崩壊がいままさに起こりつつある方向の応力状態であるので,滑り線の応力状態はモールの応力円と降伏関数の接点で規定することができる。それを図に示す。すなわち図のP点,Q点が滑り線の応力状態である。したがって,任意の一点には二つの滑り線が交差しており,そのなす角は $(\pi/2-\phi)$ である。ただしモールの応力円で示される角度は実際の角度の 2 倍が示されている。$\phi$ は粉体の摩擦角である。また図からP点,Q点の滑り線は最大主応力 $\sigma_{1}$ とそれぞれ $\pm (\pi/4+\phi/2)$ の角度をなしている。滑り線で説明したが,滑り面も同様のことがいえる。
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