静電反発ポテンシャル
electrostatic repulsive potential
水溶液中で帯電した表面近傍には拡散電気二重層が形成される。二表面がその電気二重層が重なり合う距離まで近づくと,表面間のイオン濃度がバルク溶液中より高くなり,表面間・バルク溶液間の濃度差に由来した浸透圧が生じ,表面間に反発力が発生する。この反発力に抗して二表面を無限遠点から近づけるのに要する仕事が静電反発ポテンシャルで,その微係数が表面間の静電反発力である。静電反発ポテンシャルの厳密解は,平板間に対し数表化されているが解析解は得られていない。相互作用が小さい場合や,表面電位が十分低くデバイ・ヒュッケル近似が成立する場合に対しは,近似式が求められている。平板間以外では,種々の条件下での球形粒子間,平板・球形粒子間に対する近似式が求められている。DLVO 理論では,この静電反発力とファンデルワールス引力の兼ね合いがコロイド分散系の安定性を決定する。
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帯電(液相中),電気二重層,デバイ・ヒュッケル近似,DLVO理論,ファンデルワールスカ
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