静電気力が原因となった付着力。粒子は種々の原因で帯電するが，帯電粒子は電界をつくって他の電界と相互作用し，静電気力を受ける。その大きさは粒子の電荷と他の電界の強さとの積に等しい。特に二粒子がそれぞれ正負に帯電していれば，クーロンカによって引き付けられ，付着する。この場合の付着はクーロンカによる付着という。二粒子のうち，一方が正あるいは負に帯電していると，他方の粒子は帯電していなくても静電気力が作用する。これは帯電粒子のつくる電界が他方の粒子によってひずむためである。この現象は粒子と壁面でも同様に起こり，帯電面からは帯電していない粒子も静電気力を受けて引き付けられ，付着する。帯電していない壁面と帯電粒子でも同様である。この場合の付着は電気影像力による付着という。これらの静電気力は，ファンデルワールスカに比べて遠距離から作用するという特徴がある。
　一方，帯電していない粒子間，あるいは帯電していない粒子・壁面間でも局部的に接触帯電が起こり，付着力が作用する。この場合の付着は接触帯電による付着という。ファンデルワールスカは常に作用する力であり，実際には，静電気力だけによる付着はあり得ない。

→　 帯電，接触帯電，ファンデルワールスカ，グラジエント力