結晶中で二次元の広がりをもつ格子欠陥。たとえば,面心立方晶は ABC の三種の面パターン,六方晶は AB 二種の面パターンの繰り返しによって成り立っているが,前者においても ABCABABC のような不規則性が現われることがよくある。このときの 6 番目の A 相は面心立方晶の積層欠陥である。積層欠陥は,異方性の大きな結晶を粉砕するときなどに導入されやすい。したがって,メカノケミカル効果の原因となることもある。たとえば,二三酸化鉄のメカノケミカルな相転移は,メカニカルに導入された積層欠陥が,核として作用することが知られている。
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メカノケミカル効果
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/09/01