電解質溶液中で帯電した表面が溶液と相対的に運動する場合，表面近傍の数分子程度の厚さの液相は表面に固着し（固定層）表面とともに運動する。この固定層外端（滑り面）での溶液本体（無限遠）に対する電位がゼータ電位であり，界面動電現象において帯電表面が実効的に溶液層に対して保持する電位である。滑り面はステルン面より溶液側に張り出しているため，厳密にはステルン面電位と異なるが，多くの場合近似的に等しく，拡散電気二重層の起点電位に代用されることが多い。電気泳動法，電気浸透法，流動電位法などで測定される。

→　 電気二重層，界面電気現象，ステルン層（Stern層）