高分子溶液からその高分子に富んだ相が分離する現象（コアセルベーション，coacervation）を相分離という。単純と複合コアセルベーションがある。単純法では，高分子溶液に電解質や有機溶媒を加え高分子の溶解性を減少させてコアセルベートをつくる。複合法では，ポリカチオンコロイドとポリアニオンコロイドを組み合わせ，電気的な相互作用で相分離を生起させる。ゼラチン/アラビアゴム系が代表例である。あらかじめ粉体粒子を溶液に分散しておくと，カプセル化あるいは表面改質が可能である。有機溶媒溶液系からの相分離では，高分子/良溶媒/貧溶媒系が用いられ，高分子の脱混合領域を回避した相平衡条件でコアセルベートをつくる必要がある。

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