粗砕機,破砕機
primary crusher
数十 cm のオーダーの原石を数 cm から数 mm のオーダーまで破砕する粉砕機。鉱石処理,砕石生産などの一連の破砕・粉砕処理の一番はじめの段階で用いる装置である。粗砕機は,大体大きく三つに分類(衝撃式破砕機,圧縮式粗砕機,切断・せん(剪)断式粗砕機)されるが,いずれも一個ずつの原料に直接力を加えて粉砕を行う機構となっている。
衝撃によって原石を破壊する衝撃式破砕機は高速回転するローターの周辺に衝撃板,ハンマーを取り付け,原石は上方から円周方向に落下させて打撃するのが普通である。壁側に反発板を取り付け,いったん衝撃作用を受けた粒子をもう一度衝撃体へはね返し,繰返し衝撃を行うようにした構造のものもある。ハンマーには衝撃式粉砕機の場合と同様にスイングハンマータイプのものもあるが,一般には固定型が多い。また二つのローターをもつダブル式で相対的なハンマー速度を上げる試みなどもある。このほかスタンプ状の杵を落下させその衝撃で粉砕を行うスタンプミルは鉱石の粗砕にも用いられるが,スタンプの形状は粗砕用に工夫されることもある。
次に圧縮によって原石を破壊する圧縮式粉砕機は,いずれも二つの面の間に原石をかみ込んで圧縮を加えて砕くものである。この面として 2 平面を用いるもの(ジョ一),2 円錐体の内外壁面を用いるもの(ジャイレトリー,コーン),2 ロール面を用いるもの(ロール)などがある。ジョークラッシャーはちょうど顎のように V 型に向かいあった 2 平板の片方を固定し,片方の上端ないし下端を水平に運動させて圧縮作用を行うものである。ジャイレトリークラッシャーおよびコーンクラッシャーは,頂点を上にした円錐体の外壁と,その外側にかぶせた倒立円錐の内側の間でつくる,断面が V 型のギャップ中に原料をかみ込んで圧縮破砕を行うものであるが,この場合内側の円錐体を旋動状に動かして圧縮を行う。ロールクッラシャーは 2 本のロール間に砕料をかみ込んで粉砕を行うものであるが,この場合二つの回転数を変えてせん断作用(剪断作用)を加えることもある。また特に農産物などの破砕・解砕においては,ロールの平面に溝を切ってかみ込みとせん断の作用を強くするものもある。
切断・せん断式の粗砕機は,鉱物質のものよりもむしろ金属,木材,プラスッチクス,紙などの粗砕(チップ化),細断を行うもので,最近廃棄物処理と関連して特に注目されているものである。大型の一枚刃を落下させて切断するギロチン型シュレッダーから,切断用の刃をロール上にもつシュレッダーや,何枚かの刃を高速回転させるタイプのシュレッダーまで種類はきわめて多い。
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