粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

塑性成形

plastic shaping

 可塑性物質が有する塑性変形能(可塑性)を利用して成形することで,練土(ねりつち)成形とも呼ばれる。練土を手ろくろや機械ろくろで成形したり,真空土練機を用いる押出し成形などがある。塑性成形では,粘土のような扁平粒子は押出し方向に沿って粒子配向を起こしやすく,また粘土と粗粒子系からなる練土では押出し中に滑り帯(slip band)が生ずる。変形前には均一に分散していたものが,変形を受けると粗粒は大きい抵抗を受けて滑り帯から少し上下に移動して滑りが起こりやすい配列をとり,微粒の粘土粒子は滑り帯中でよく配向している。このようにはじめは均質であった練土が,塑性変形を起こすとミクロ的に組織が不均質になり,乾燥焼成工程での亀裂の発生を誘発する。練土温度の均一化,硬さの増大,粗大粒子の除去,真空度の向上,押出し速度の最適化などが重要である。

→  押出し成形オーガー

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/26

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