帯電(液相中)
charging
固体が液中で正味の電荷をもつこと。クーロンカはファンデルワールスカに比べて遠距離から作用することや,帯電した表面の周りの,表面電荷を打ち消す反対荷電のイオン雰囲気の作用などから,帯電現象は粒子間の相互作用に対してしばしば支配的な効果を与え,コロイド分散系の安定性を左右する重要因子となる。帯電の機構は一般に二つに大別される。第一は表面官能基の解離によるもので,カルボキシル基からのプロトン解離(—COOH → —COO- + H+)などにみられる。第二は Agl 表面への Ag+ または I- の吸着などにみられる中性表面へのイオンの吸着あるいは結合であり,溶液中の各イオン濃度に依存して表面電位は正にも負にも変化する。また,シリカに代表される酸化物表面では,表面水酸基に対して,低い pH ではプロトンの付加が起こって正に,高い pH では水酸基からのプロトンの解離が起こって負に,それぞれ帯電する。したがって,ある pH では帯電がゼロとなるが,これを電荷零点(p.z.c.: poit of zero charge)という。
→ 表面電荷,表面電位
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