粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

断熱型熱量計

adiabatic calorimeter

 装置は,試料容器とそれを取り巻く外壁から構成されるが,試料から発生した熱量は外壁に伝わることなしに,すべて試料容器の温度変化に費やされるように設計された熱量計をいう。断熱を達成するために,試料容器とそれを取り巻く外壁との間を 10-4 Pa 以下の減圧にすると同時に,両者の温度を同一に制御する。さらに試料容器を支持する釣り糸,計測用のリード線もあるが,それらを通じて試料容器から外壁への熱漏れがないように工夫する。このタイプの熱量計は,熱容量,反応熱,吸着熱などの測定に用いられている。たとえば熱容量の測定は,試料容器を断熱条件下に置き熱的平衡状態に到達後,既知熱量 Q を外部から電気的に供給したとき,試料温度が ΔT 変化したとすると,Q = CΔT から試料容器のその温度領域における平均熱容量 C が求められる。次に試料を入れた状態での熱容量を測定すれば,それらの差より試料のその温度領域における熱容量を算出することができる。

→  伝導型熱量計

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/07

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