超塑性
superplasticity
引張り変形において局部収縮(ネッキング)を生ずることなく巨大伸び値を示す現象をいう。巨大伸び値の程度は材料によって異なるが通常の方法に比べて桁違いに大きい。このような現象を発現する条件は,材料の微視的構造(内的因子)と,温度およびひずみ速度(外的因子)の兼ね合いで決まる。内的因子として,素材を構成する結晶粒径が微細で等方等軸であり,結晶粒の熱的安定性がある。すなわち,全体的な伸びの間では結晶粒の変形がなく,結晶粒界で滑り変形する。外的因子としては,融点の 1/2 以上の温度 [K] 範囲であり,適度なひずみ速度範囲であること。超塑性流動応力とひずみ速度の関係は,一般流体のレオロジー関係式である指数モデルの表現が適用される場合が多く,指数部(非ニュートン性)の値 m を「ひずみ速度感受性指数」と呼び,この m が 0.5 以上のときに超塑性を示す。金属合金のみならず,セラミックも微細粒子構造と発現条件を制御することによって超塑性現象を示すことが知られている。
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