粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

貯槽

storage tank

 粉粒体をばらのまま貯蔵する容器のことであって,貯蔵される粉粒体の物性や貯蔵量,貯槽の用途などによって多くの形状や種類がある。それらには,タンク(tank),ホッパー(hopper),バンカー(bunker),サイロ(silo),ビン(bin),デポット(depot)など種々の呼称がある。粉粒体の貯蔵容器としての貯槽の機能には,各種工業プラントのプロセスシステムのハンドリング構成要素として連続したプラントラインに組み込まれたもの,また,ばら積み輸送による物流システムの一環として組み込まれたものがほとんどである。貯槽の一般的な特徴としては,次のようなことがいえる。

  1. 粉粒体をばらのまま,能率的な集配と貯蔵が可能である。
  2. 原料および製品コストのかなりの比重を占める輸送費の削減が可能となる。
  3. 床式の倉庫などに比較して,同一の敷地で数倍の貯蔵能力があり,地価の高騰などによって,敷地面積でかなりの制限を受けるところに有利である。
  4. 貯蔵量当たりの設備費が少なくてすむ。
  5. 投入(貯蔵),排出,貯蔵量の制御などを自動的に行うことができる。
  6. 容易に加圧,保温,防湿,薫蒸などの作業が可能である。
  7. 貯蔵物の変質,腐敗,損傷,虫害,鼠害などを防ぐことができる。
  8. 工業生産システムのプロセスの一環として組み入れることが容易である。
 容器の形状により,貯蔵物を垂直方向に堆積貯蔵する形式(サイロ,バンカーなど)と,平屋の容器にばら積みして貯蔵する形式(horizontal depot)とがあり,日本においては地価が高いため垂直型の貯槽がほとんどである。

→  サイロビンバンカーホッパー水平型貯蔵

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/02

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