粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

沈降速度(沈降分離における)

settling velocity

 分散粒子,フロックあるいは清澄液—スラリー界面などが重力遠心力の作用下で沈降するときの速度。ごく希薄な懸濁液では,粒子は相互に独立に沈降し,自由沈降状態を呈するので,単一粒子の速度式が適用できる。固体濃度が高くなると,粒子間の干渉効果が無視できなくなる。沈降速度は単一粒子の沈降速度に空間率関数 φ(ε) をかけて補正する必要があり,たとえば Richardson-Zaki の式 φ(ε) = ε4.65 がある。ここで,ε は空間率である。フロックについても同様に考えてよい。清澄液—スラリー界面の沈降速度は実測によるのが普通であるが,キンチの理論による予測も可能である。固体濃度がより高くなると,フロックは相互に連結し,容器壁面まで広がったネットワークを形成する。この場合,界面沈降速度は,スラリー層の壁面における支持応力,およびスラリー層の自重による容器底部近傍の降伏応力を考慮して求める必要がある。

→  沈降曲線キンチの理論干渉沈降

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/06

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