DMT理論
DMT theory
壁に付着した球形粒子の分離力(pull-off force)を,接触部に生じた弾性変形を考慮して解析するための理論であり,1975 年に Derjaguin,Muller,Toporov によって提案された。これより先に提案された JKR 理論(1971)では,接触部の周縁の圧力が無限大になるという問題点があり,DMT 理論では,引力の作用する範囲を設けることによって,この問題点を解決しようと試みられた。DMT 理論では,粒子を引き離す方向に徐々に力を加えていくと接触半径がゼロになるとき分離し,結果として付着力は弾性変形を考慮しない剛体球と同じ値になる。その後,Muller らはソフトな系では JKR 理論が,ハードな系では DMT 理論が適し,その中間的な系も存在すると説明しているが,弾性変形をともなう付着力に関する定説は未だに得られていない。
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JKR理論
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