抵抗係数
drag coefficient
流体中に物体が置かれ,それらの間に相対速度がある場合,物体は流体から流れの方向に力を受け,この力を抗力という。この抗力を流れの相対的な値すなわち無次元数で表わしたものを抵抗係数 $C_{\mathrm{D}}$ という。すなわち $C_{\mathrm{D}}$ は次式で定義される。
$$
C_{\mathrm{D}} = \frac{F_{\mathrm{D}}}{\frac{\rho u^{2}}{2}A} \tag{1}
$$
ここで,$A$ は物体の流れに対する断面積,$F_{\mathrm{D}}$ は抗力,$u$ は相対速度,$\rho$ は流体の密度である。
抗力 $F_{\mathrm{D}}$ は物体の径 $D_{\mathrm{p}}$ DP,相対速度,流体の密度,粘度 $\mu$ で表わされるので,それらを用いて次元解析を行うと, $C_{\mathrm{D}}$ は粒子レイノルズ数,
$$
Re_{\mathrm{p}} = \frac{\rho u D_{\mathrm{p}}}{\mu} \tag{2}
$$
のみで表わされることがわかり,球形固体粒子に対して実験的に得られた次式がよく用いられる。
\begin{align}
C_{\mathrm{D}} &= \frac{24}{Re_{\mathrm{p}}} \left( 1+0.15 {Re_{\mathrm{p}}}^{0.687} \right) & Re_{\mathrm{p}}& <1000 \tag{3}\\[4px]
C_{\mathrm{D}}&= 0.44 & Re_{\mathrm{p}}& >1000 \tag{4}
\end{align}
$C_{\mathrm{D}}$ が求まれば流れの代表値を掛けることによって抗力 $F_{\mathrm{D}}$ は容易に求まる。
→ 抗力係数
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