T.C.C.装置
thermofor catalytic cracking unit
軽油が主成分の原料油をシリカ・アルミナ系触媒で接触分解し高オクタン価ガソリンを製造する移動層式接触分解装置の一種。本装置は Socony Vacuum Oil Co.(現在の Mobil Oil Corp. の前身)と Houdry Process Corp. の協力により,それ以前の固定床式接触分解法と白土の再生に用いていたサーモフォアキルン(thermofor kiln)とを結合することによって,1940 年代の初期に開発された歴史的な装置である。当初は反応塔と再生塔を並列に配置し,その間の触媒の移送を二系列のバケットエレベータによっていたが,1950 年以降のものは,T.C.C. 装置を基礎にして考案されたフードリフロー式接触分解装置(houdriflow catalytic cracking unit)と同様に,反応塔を再生塔の上部に置き,再生された触媒の移送をエアーリフトで行う。触媒としては,合成ビーズ触媒を用い,反応塔は 730 〜 770 K,15 気圧で運転され,再生塔では最高 870 K で触媒に付着した炭素の燃焼を行う。しかし,その後,より効率的な流動接触分解法(fluid-bed catalytic cracking,F.C.C. と略記)が開発され,接触分解の主役は T.C.C. から F.C.C. へと移った。
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