粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ディフュージョンバッテリー,拡散バッテリー

diffusion battery

 粒子径 0.1 µm 以下の超微小エアロゾル粒子の粒子径または粒子径分布を,粒子のブラウン拡散現象を利用して測定する装置で,多数の細管群あるいは平行平板群よりなる。これにエアロゾルを層流で流すと,粒子はブラウン拡散により壁面に沈着する。
 拡散沈着量は,粒子径の関数として与えられる粒子のブラウン拡散係数に依存するので,入口および出口のエアロゾル濃度を測定すると,円管あるいは平板間を層流で流れる場合の拡散方程式の解(Gormley-Kennedy の式)から粒子径が決定される。単分散粒子の場合は,この方法で簡単に求められるが,多分散粒子で粒子径分布を求める場合,円管または平板の長さの異なるバッテリーについて,流量も変えたデータが必要であり,かなり煩雑となる。
 そこで,いまではこれに代わるものとして,スクリーンを多段にしたスクリーンディフユージョンバッテリーが市販され,広く使われている。これは,ステンレス製の 635 メッシュのスクリーン 55 枚を,直列に 10 個のステージに分割・配列したもので,それぞれのステージにおける濃度を,サンプリング管から CNC に導き測定する。CNC の 0.01 µm 以下の粒子に対する測定や粒子径分布を得るまでのデータ処理に誤差が生ずることに注意する必要がある。

→  拡散係数拡散捕集

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/21

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