定率乾燥速度
constant drying rate
定率乾燥期間における乾燥速度のことであり,乾燥が進行してもその値はほぼ不変である。このとき材料温度も不変である。気流中での水滴の蒸発のように,気—液界面において伝熱と物質移動が同時に起こる系では,伝熱量がすべて蒸発潜熱として費やされる定常状態が存在する。この状態は安定で自己平衡性があり,外乱を与えても復元する。表面蒸発期間における湿り材料の対流乾燥でも,これとほぼ同様の現象が生じていると考えられている。このとき,(伝熱面積)=(蒸発面積)の場合には湿り材料の表面温度が熱風の湿球温度となり,その表面積基準の乾燥速度は被乾燥物の種類・特性によらない。また対流に加えて放射や伝導伝熱が共存したり,(伝熱面積)>(蒸発面積)のときにも定率乾燥期間はみられるが,材料温度は湿球温度よりも高い値で一定となる。
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湿球温度,表面蒸発期間,乾燥特性
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