デカンター
decanter
遠心沈降分離装置の一種。原液の固体濃度が高く,処理量が多い場合に用いられる。垂直型は,直径数十 cm から大きいもので 1 m を超えるような,側壁に穴の開いていない回転円筒よりなる。原液を中心から供給し,固体は円周方向に遠心沈降させ,清澄液は円筒上部からいつ流させる。沈積固体が一定量を超えたら回転数を落とし,かき取り板で底部に排出する。遠心効果は 1000 程度と低いが,固体濃度 40 % 程度の濃厚スラリーも処理できる。大型の装置は全自動で運転される。水平型でスクロール自動排出式のタイプは,直径数十 cm から 1 m 程度,長さがその数倍程度の円すい形あるいは円筒—円すい形の容器を水平軸の周りに回転させるもので,遠心効果は概ね数千程度である。内部には容器とわずかに遅く回転するスクリューコンベヤがあり,沈積したスラッジを外部にかき出す。他端からは清澄液が排出される。原液はスクリューコンベヤの中空軸から供給される。遠心効果は円筒型や分離板型に比べて低いが,処理量は最大 70 m3 h-1 程度と大きいため,下水汚泥などの濃縮分離に広く用いられている。
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遠心沈降機,シャープレス型遠心沈降機,濃縮脱水プロセス
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