電荷緩和時定数
time constant of charge relaxation
粉粒体は,その取り扱いにおいて容易に帯電するが,静置された粉粒体の電荷は徐々に減少する。これは粉粒体層から電荷が電気伝導によって漏洩するか,空気中に存在するイオンによって中和されるためで,電荷緩和現象という。粉粒体層から電荷が電気伝導によって漏洩する場合,比較的導電性の大きい粉粒体では,電荷qは次の指数則に従って減衰する。
$$
q = q_{0}\exp \left( -\frac{t}{\tau} \right)
$$
ここで,$q_{0}$ は粉粒体層の初期電荷,$t$ は経過時間であり,$\tau$ を電荷緩和時定数という。電荷緩和時定数は,粉粒体層の電気抵抗率と見掛けの誘電率の積に等しく,それぞれ測定できる。ただし,これらの特性値は粉粒体層の充塡率に依存する。一方,非常に抵抗の大きい粉粒体を接地金属容器に入れて放置した場合の電荷 $q$ の減衰は,次式で表わされる。
$$
q = \frac{q_{0}}{1+\frac{\mu q_{0} t}{\varepsilon}}
$$
ここで,$q_{0}$は粉粒体層の初期電荷,$\mu$ は粉粒体層内での電荷の移動度,$\varepsilon$ は粉粒体層の見掛けの誘電率である。
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除電,電気抵抗率
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