電気浸透法
electro-osmosis
液中の帯電表面のゼータ電位測定法の一つである。粒子を詰めた粉体層セルをつくり,セル内を溶液で満たすと,粒子表面に電気二重層が形成される。セル両端に電位差を与えると,電気二重層中に存在する過剰イオンが反対荷電の電極に引つ張られ,溶液は電気浸透流となって流れる。圧力流が生じないような装置上の工夫をして,流れた溶液流量 $V$ と電流 $I$ を測定し,スモルコフスキー理論を用いて導出された次式からゼータ電位 $\zeta$ を算出する。
$$
V = \frac{\varepsilon \zeta I}{\mu \lambda}
$$
ここで,$\varepsilon$ は媒体の誘電率,$\mu$ は媒体粘度,$\lambda$ は媒体の電気伝導度である。電解質濃度が低く,表面伝導により流れる電流量が相対的に無視できない場合,補正が必要となる。
→
電気浸透流,
ゼータ電位,
スモルコフスキーの理論式(ゼータ電位),
表面伝導
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