伝導型熱量計
conduction calorimeter
装置は,断熱材でおおわれた恒温体ブロックに熱量計本体が組み込まれている構造となっている。セル内の試料容器中で試料より発生した被測定熱量を,サーモモジュール(たとえば,熱電対を数十〜数百個直列に接続したサーモパイル)を通過させ,断熱材でおおわれて一定温度に制御されている金属,または合金の均熱ブロック恒温体に散逸させると,感熱素子であるサーモモジュールは通過する熱量に比例して起電力を生じる。この出力電圧を時間で積分することにより発生した総熱量を求める熱量計を伝導型熱量計という。反応熱,蒸発熱,溶解熱,浸漬熱・吸着熱などの測定に利用される。装置としてカルベ型熱量計,天谷—萩原の熱量計,フローカロリーメーターなどがこのタイプに該当する。恒温体ブロックに熱的に対称的な位置にあけた 2 本の井戸に一対のセルを設置し,すなわち双子型の構造とし,一方を対照用,他方を測定用とすることにより微小な変動を相殺でき検出感度を高めることができる。
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断熱型熱量計
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