粒子充塡層のように,多数の粒子が互いに接触した狭い空間を流体が流れる現象をいう。透過流動は地下水の流れ,油井中での石油,天然ガスの流れなど自然界に多くみられるが,工業的には,固体触媒反応層,充塡塔形式の気液接触装置,ろ過装置(濾過装置)内の流れなどにみられる。このように透過流動は工業的にも広く利用されているが,粒子の充塡構造は複雑,かつ多様であるため,充塡層内の流れは十分には理解されていない。しかし,実用的に重要な圧力損失特性と充塡構造の関係については Darcy(1856)以来,多くの研究がなされ,かなりよい精度で透過特性を説明できる。
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/15