動水半径
hydraulic radius
粒子充塡層,管群,矩形断面ダクトなどの非円形断面の流路を流体が流れるとき,圧力損失などの流動特性を,多数の屈曲管路の集合体と考える流路モデルがある。このモデルでは,次式で定義される半径の仮想円管内を流体は通過するとして圧力損失を推定する。このときに用いられる仮想円管の半径を動水半径という。 $$ (動水半径) = \frac{(流路断面積)}{(濡れ辺長)} \tag{1} $$ 粒子層では,個々の流路が明確でないので,式 (1) をそのまま用いることはできないが,次のように変形すれば,粒子層にも適用できる。 \begin{align} (動水半径) &= \frac{(流路断面積)\times (管長)}{(濡れ辺長)\times (管長)} \\[6px] &= \frac{(粒子層中の空隙体積)}{(粒子層中の粒子の全表面積)} \\[6px] &= \frac{(空隙率)}{(粒子層体積基準の比表面積)} \\[6px] &= \frac{\varepsilon}{S_{\mathrm{B}}} \\[6px] &= \frac{\varepsilon}{S_{\mathrm{V}(1-\varepsilon)}} \end{align} ここで,$S_{\mathrm{B}}$,$S_{\mathrm{V}}$ はそれぞれ粒子層および粒子単位体積当たりの粒子比表面積である。ただし,式 (1) を円管に適用すると, $$ \frac{\frac{\pi}{4}D^{2}}{\pi D} = \frac{1}{4}D $$ と管径の 1/4 となり,他の形状でも 1/4 となるので,実用に当たっては注意しなければならない。
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