トロンプ曲線
Tromp curve
分級操作の分別誤差を表わす曲線。分級は,ある粒子特性値 $x$ に着目して,$x\lt x_{0}$ の粒子群Aと$x_{0} \leqq x$ の粒子群Bに分別することを目的とする操作で,粒子径分級では $x$ が粒子径,$x_{0}$ がカットサイズ,Aが微粒産物,Bが粗粒産物になる。原料に含まれている粒子特性値 $x$ の粒子が粒子群A,Bに分別される割合(配分率)を $\eta_{\mathrm{A}}(x)$,$\eta_{\mathrm{B}}(x)$ で表わすと,定義により, \begin{align} & 0 \leqq \eta_{\mathrm{A}}(x) \leqq 1 \\[8px] & 0 \leqq \eta_{\mathrm{B}}(x) \leqq 1 \\[8px] & \eta_{\mathrm{A}}(x) + \eta_{\mathrm{B}}(x) = 1 \end{align} である。理想分級ならば,
\begin{cases}
\eta_{\mathrm{A}}(x) = 1,~\eta_{\mathrm{B}}(x)=0 & for~~x \lt x_{0} \\[7px]
\eta_{\mathrm{A}}(x) = 1,~\eta_{\mathrm{B}}(x)=1 & for~~x_{0} \lt x
\end{cases}
である。分別誤差がある実際の分級では,$\eta_{\mathrm{A}}(x)$ または $\eta_{\mathrm{B}}(x)$ のグラフは曲線になる。これをトロンプ曲線という。提唱者トロンプの名前だけでは曲線の意味がわかりにくいので,トロンプの配分率曲線(Tromp partition curve),トロンプを省略して単に配分率曲線ともいう。分配率曲線,部分回収率曲線,部分分離率曲線ということもある。部分分級効率曲線という名称は,トロンプ曲線によって分級誤差を表現,評価する手法がすでに確立,普及している事実に気づかなかった人達による異称である。ある粒子特性値 $x_{0}$ を境界にして部分回収率 $\eta(x)$ に顕著な差があることが望ましいのであって,$\eta(x)$ の値が大きいほどよい分級ということではないから,$\eta(x)$ のグラフを効率の曲線と呼ぶのはまぎらわしくて誤解されやすい。
→ 部分回収率,理想分級,分級の鋭さ,テラ指数
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