二相説
two phase theory
気泡流動化状態において,層が気泡相(不連続相,希薄相)と粒子相(連続相,濃厚相)の二相からなり,粒子相内のガスは流動化開始時と同一の流速で流れ,流動化開始に必要な流量以上のガスは気泡となって層内を吹き抜けると考える説をいう。式を用いて表現すると,粒子相,気泡相の各相を流れるガス流量 $Q_{\mathrm{e}}$,$Q_{\mathrm{b}}$ は次式となる。
\begin{align}
& Q_{\mathrm{e}} = A_{\mathrm{t}}\, u_{\mathrm{mf}} \tag{1} \\[4px]
& Q_{\mathrm{b}} = A_{\mathrm{t}}\, (u_{0}-u_{\mathrm{mf}}) \tag{2}
\end{align}
ここで,$A_{\mathrm{t}}$ は層断面積,$u_{0}$ は空塔ガス速度,$u_{\mathrm{mf}}$ は流動化開始ガス流速である。
二相説が成立する場合,$Q_{\mathrm{b}}$ は気泡の上昇速度 $u_{\mathrm{b}}$ と層内で気泡の占める体積分率 $\varepsilon_{\mathrm{b}}$ εbを用いて,
$$
Q_{\mathrm{b}} = u_{\mathrm{b}} \varepsilon_{\mathrm{b}} A_{\mathrm{t}} \tag{3}
$$
と表わされるので,上式と式(2)から $\varepsilon_{\mathrm{b}}$ は次式で表わされる。
$$
\varepsilon_{\mathrm{b}} = \frac{u_{0}-u_{\mathrm{mf}}}{u_{\mathrm{b}}} \tag{4}
$$
なお,実際の流動層の特に気泡数の多い層底部では,$Q_{\mathrm{e}}$ の値が式 (1) で与えられる値より大きくなる。
→
気泡流動層
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