温度勾配の存在する気体中に粒子がおかれたとき,粒子は高温側から低温側へと移動する現象。これは気体分子の運動は高温側のほうが低温側よりも激しいため,粒子は高温側からより大きな運動量を与えられることによる。熱泳動速度は粒子と気体の熱伝導度や気体の圧力に関係するが,温度勾配に比例し,たとえば,10 K mm-1 の温度勾配のとき,おおまかには 0.1 mm s-1 程度の値となる。熱泳動速度は粒子径にあまり依存しないという特徴があり,粒子径が小さく温度勾配が大きいときには,重力沈降速度よりも十分大きな速度となりうる。
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熱沈着
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/18