粘性流体
viscous fluid
粘性の働きが無視できない流れの流体をいう。ニュートン流体では応力が変形速度の一次に比例して求められ,それによってナビエ・ストークスの式が得られる。ナビエ・ストークス式の無次元化から慣性項と粘性項の比からレイノルズ数が得られ,その値が小さいときは流体は整然として流れ,この流れを層流という。
その中でもレイノルズ数が 1 以下の場合はナビエ・ストークス式の粘性項に比べて慣性項は無視でき,運動方程式は線形化されるので解析的に解くことも可能である。この領域の流れをクリーピングフローという。レイノルズ数が,流れの種類,状態にもよるが,数百から数千以上になると複雑な流れすなわち乱流となる。
現在ではレイノルズ数が 2000 程度まではナビエ・ストークス式の直接数値解析が可能で,それ以上の流れになると微小渦をモデル化するラージ・エディ・シミュレーション法を用いるとやはり時々刻々の流れをナビエ・ストークス式の数値解析によって求めることができる。
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クリーピングモーション式
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