汚染物質の排出施設においてはそれ以上の排出が法的に許されない限界の濃度または量，すなわち法に定められた許容限界をいう。汚染物質の時間当たりの排出量で表わす方法，単位体積当たりの質量で表わす方法，質量または体積の百分率で表わす方法，測定原理に固有の測定量（相対値）で表わす方法などがある。大気汚染防止法においては，排出基準または総量規制基準を設けることが規定されているほか，都道府県でも別途条例によりこれを設けることができる。燃焼過程から発生するばい塵の排出基準については，同法施行令および施行規則により，発生施設の種類および規模に応じて 0 ℃，1 気圧のガス 1 ｍ³ について 0.05 から 0.50 g の範囲で基準値が定められている。また特に汚染が進行している地域および新たに設置する施設に対しては，特別排出基準が適用されている。また石綿の排出についても排出基準が同法で規定されている。

→　 大気汚染，ばい塵