粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

バグフィルター,バッグフィルター

bag filter

 袋状のろ布(濾布)をつり下げて,粉塵ガス中の粒子をろ布でろ過捕集し,ろ布に付着堆積した粉塵層を周期的に払い落として,圧力損失の増加を防ぎながら,連続使用するろ過集塵装置。構造および取扱いが簡単で,しかも高い集塵率が得られることから,有用粉体の回収を目的とするものから,公害防止のための排ガス清浄用まで多方面で使用されている。集塵機構としてはろ布表面に粉塵が形成されるまでの間は,(1) 慣性衝突,(2) 拡散,(3) さえぎり,が主な捕集作用と考えられ,そのほか,重力静電気力が関与する場合もある。この期間の集塵率は,50 〜 80 % 程度であるが,数秒から数分で堆積粉塵層が形成されて定常状態に達し,その後は堆積粉塵層によるふるい効果(篩効果)による捕集となって集塵率は 99 % 以上になる。ろ布に捕集された粉塵層の粉塵負荷が大きくなると,圧力損失も増大するので,一定時間間隔(タイマー式)か,または一定圧力損失を検出して(差圧式)自動的に粉塵層を払い落とすようになっている。
 粉塵の払い落とし装置はバグフィルターの重要な機構の一部であり,バグフィルターの形式を払い落とし方式によって分類されることが多い。一般に機械的振動か逆気流,パルスジェットなどによって払い落としを行う方式が多く採用されている。

→  ろ過集塵(濾過集塵)内面ろ過(内面濾過)外面ろ過(外面濾過)払い落とし

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/20

【広告】