払い落とし
dislodgement of dust
バグフィルター,電気集塵装置,充塡層フィルターなどでは,装置内に捕集・堆積した粉塵を周期的に取り除かなければ圧力損失が上昇して処理流量が減少したり,捕集性能が低下して,使用できなくなる。したがって,その構造と性能は,集塵装置の性能に直接影響する。一般に機械的振動,かき落としあるいは逆気流などを利用する。
バグフィルターでは次のような方法がある。
- 振動払い落とし:ろ布(濾布)の上端か中央部を,上下または左右に毎分数百回振動させて払い落とす方法で,処理能力は大きい(図1)。しかし,払い落とし時には集塵操作をいったん中断しなければならないので,装置を多室構造にする必要がある。
- 逆圧払い落とし:含塵ガスのろ過方向と逆向きに清浄気流を送り,逆圧によりろ布を膨張させて,堆積粉塵層を崩壊する払い落とし方法。振動式よりもろ布の損傷が少なく,ガラスろ布ではこの形式が多い(図2)。
- 逆圧振動併用払い落とし:振動と逆圧の両方の効果を意図したもので,払い落とし能力は大きい。
- パルスジェット:逆圧噴流ともいう。外面ろ過による堆積粉塵にろ布内面上部から高圧空気のジェット気流を瞬間的に与え,その衝撃力と誘起される逆気流により払い落とす方式で,払い落としが強力で,フェルトろ布に有効なため広く普及している(図3)。この方法では,集塵室をいくつにも仕切る必要がないので,装置を小型化できる利点がある。
→ バグフィルター,電気集塵
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