反応焼結
reaction sintering
粉体集合体からなる成形体を,高温で焼成して,化学反応をともなわせつつ焼結させる方法である。最終化合物の粉末成形体を直接焼結させるのに比べて,著しく低温で焼結可能であり,また焼結助剤などの添加を必要としないなどの特徴をもつ。代表例には窒化ケイ素の反応焼結があり,ケイ素粉末成形体を窒素あるいはアンモニア中で焼成して,窒化ケイ素の形成と焼結を同時に行う。得られた多孔質焼結体は,焼成時に成形体の収縮をほとんど生じないため,高い寸法精度をもつ。また,低温で軟化する焼結助剤などを含まないため,高温での強度低下が小さい。反応焼結はほかにサイアロンや炭化ケイ素セラミックスの製造に利用される。前者では焼結中に非平衡な液相が生成して焼結を促進するが,焼結終了時には固相中にとり込まれ均一な組成となる。
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