光泳動
photophoresis
媒体中に懸濁している粒子に光が照射されて起きる粒子の運動をいう。この場合も運動が粒子と媒体との間の熱の移動にともなう運動量の授受の結果として起きるので,光泳動は熱泳動の特殊な場合とみなすことができる。粒子が光を吸収し,温度が上がると,粒子(の受光面側)から周囲媒体に熱が移動する。このとき周囲の媒体中に温度差が生じると,媒体分子が粒子に与える運動量の総和としての力を受け,その方向に移動する。光泳動力と媒体から受ける抵抗とが釣り合うとき,その定常移動速度を光泳動速度という。光泳動力は粒子内部の発熱による表面温度分布と媒体への熱の移動によって決められるので,粒子の形状,光学的な特性だけでなく媒体の密度,温度などにも依存する。
→ 熱泳動
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