引張破断法
split cell method
粉体層の付着性を引張強さとして評価する方法で,水平引張法と垂直引張法がある。どちらの方法においても二分割セルに試料を充塡し,加圧などにより粉体層を形成したあと,セルを引張り粉体層破断時の応力を測定する。水平引張法は,粉体層を形成するためにかけた圧力方向と,粉体層を破断する方向が直交し,ほとんどの場合水平方向に破断される。垂直引張法は,加圧した方向に破断する方法で,ほとんどの場合鉛直方向に破断される。どちらの方法も装置が市販されている。水平引張法の二分割セルは,固定セルと可動セルよりなるが,可動セルはベアリングの上に載せるかつり下げられ,分割時の摩擦抵抗を少なくする工夫がされている。水平引張法は,装置構造上大きな加重で粉体層を形成することは難しく,比較的空隙率の高い粉体層に適している。垂直引張法の二分割セルは,固定セルの上に可動セルを重ねた構造になっている。垂直引張法ではセル壁と粉体層間の摩擦力の関係で,粉体層を高い圧力で形成する必要があり,ゆるやかな充塡状態の測定はできないが,雰囲気の調整がしやすい,粉体と板材の付着性を評価できるなどの利点もある。
測定結果は粉体層空隙率との関係で整理されることが多い。
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