非等速吸引誤差
anisokinetic sampling error
粉塵を管路中からサンプリングする場合,プローブ吸引速度 $u$ が主流速度 $u_{0}$ と異なると,サンプリングにより測定した濃度 $C$ は主流濃度 $C_{0}$ と異なってくる。これは粒子と流体の慣性力の差により生じ,非等速吸引誤差と呼ばれている。$u \gt u_{0}$ では粗大粒子が流線からはずれて直進し,プローブに吸引されないので測定濃度 $C$ と主流濃度 $C_{0}$ の比 $C/C_{0}$ は 1 以下になる。逆に $u \lt u_{0}$ では濃度比 $C/C_{0}$ は 1 以上となる。速度比 $u_{0}/u$ と濃度比 $C/C_{0}$ の関係を既応の実験式および吉田らの計算値について図示してある。
数値計算の結果とデービスの式による計算値がほぼー致しており,実用上は誤差推定が簡便なデービスの式の利用が望ましい。しかし数値計算結果は,速度比 $u_{0}/u \lt 0.2$ の場合に速度比の低下につれて濃度比が 1 に漸近しており濃度誤差はかえって小さくなる。これはプローブの吸引速度が速いと流れ場が点吸引の状態になりプローブ近傍での粒子軌跡と流線のずれが少なくなるためである。大気中からの粉塵測定では等速吸引は難しいため,高速吸引法がかえって測定誤差が小さく望ましい。
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